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マイ・インナー・ジャーニー(自分の内なる旅)のはじまり
LA:2017-03-09 12:13 (209)
 バブル経済の時期、日本橋の大手不動産会社に勤めていました。当時は、自宅通勤のOLとしてお気楽で生温い生活にどっぷり浸かりながら、やがて、会社の女性事務職員の9割方がそうするように、自分も結婚・寿退職するのだろうとおぼろげに考えていました。私の場合、幼少の頃から経済的危機感を抱きながら育ったため、結婚しても経済的に自立していたいという強い思いがありました。しかし、だからといって他にやりたい仕事や身につけたい技術があったわけでもなく、自分の将来を漠然と思い描いては、腹の底に込み上げる不甲斐無さをもて余している時期でもありました。
 そんなときに、友達に誘われて導かれるように出向いたフランスで、生まれてはじめて自分の内なる声/インナーボイスというものを聞いたのです。
 その日はフランス旅行の最終日で、パリで買い物を楽しんでいました。夕方、歩き疲れて石畳の階段に腰をおろして町ゆくひとたちを眺めていたときに、ふと沸き起こる感慨にひたりました。
「私は、一体、何をしたいのだろう。しっかりと自分を生きてみたい、でもそのために何をしたらいいのだろう。」
すると、内なる声が応えました。
「自分の人生、夢に向かって突っ走る時期があってもいいんじゃない?アメリカの演劇学校へ通うのが夢なんだから、それを実行してみたら?今やっておかないと、後で必ず後悔するよ」、と。
 ひとたび気持ちを固めると、着々と計画を実行すべく準備をはじめ、翌年の春に会社を退職し、スーツケースひとつでロサンジェルスへ渡ってきました。
 
【初めてのヘッドショット、25歳】

 当時の夢は、アメリカのアクティング・スクールへ通いながら独身として最後の青春を楽しむことでした。ニューヨークを舞台に繰り広げられる青春映画、「フラッシュダンス」や「フェーム」に登場する貧乏なアーティストたちが、夢と情熱に支えられて奮闘してゆく姿に感動を受け、彼らのようになって、自分の奥底に潜む強さを感じてみたかったのだと思い返します。言葉もままならない異国の地で、誰も私の過去を知る人のいない環境に身を置き、身の振り構わず、がむしゃらになって生きることで、見栄とか虚栄心といったものが削ぎ落とされて、本当の自分を知ることができればと期待していました。当時、学生ビザを維持するだけでも大変なことでしたから、アメリカで女優に成るとか、ハリウッドで生計を立てゆきたいというところまでは考えておらず、ただ英語を習得して演劇クラスで猿回しほどの芝居でもできるようになれば上出来だと思っていました。
 誰のものでもない自分の夢を生きるというのは、ただひたすら、そして前向きに目の前に現れるマイル・ストーン/課題に自分を飛び込ませ、精一杯にこなしてゆくことです。そして、そこに無我夢中になってあれるとき、人は、体のなかに沸き起こる透明感を帯びた喜びで満たされます。そこには多少ハチャメチャでありながらも、ひたむきで真っ直ぐに生きる私がいました。
 ところが、皮肉なことに、そんな私が、ロサンジェルスに渡って来て挫折感を味わうようになったのは、初めてB級映画の主役をもらい、仕事を終えてロケ地のニューオーリンズからロサンジェルスに帰って来たとき、つまり世間一般でいわれるサクセスを経験しはじめた頃でした。ひとつ夢が叶ったら、また次の新たな夢を追いかけて一生懸命に動いていればよかったのでしょうが、それに気がつかないまま、虚栄心やエゴに振り回されるようになり、不安から生まれる競争心にエネルギーを消耗しながら、周りからの評価に過敏に反応しては、どこへも吐き出すことができない鬱憤を抱えるようになっていました。
 それまで、自然と内側に沸き出していた喜びや確信を、自分の外の世界へ追い求めるようになり、私は、徐々に自信と勇気を失いながら乾いてゆき、ついには過食嘔吐を繰り返す摂食障害に陥ってしまいました。
 自分のことを、取るに足らないつまらない人間だと思う時間が増え、そうして自らを卑下するとき、心に欠乏感が染み込んで、世の中からひとり取り残されたような、天からも見放されたような、それはそれは心細くて寂しい思いに苛まれました。そして、そんな心情でいるとき、生きることは、茨の道、競争や困難を乗り越えるだけのサバイバルでしかないように感じるのです。こんな辛い思いをしながらも生きてゆく理由は何なのだろう...と。
 
 
【HBO/テレビ・ドラマの撮影セットで】

 心細くて眠れない夜があると、ときどき無性に宮崎アニメが観たくなり、丑三つ時に、日本から送ってもらった『風の谷のナウシカ』のビデオを観ては泣きました。
 ナウシカが、愛と優しさをもって、どんな困難にも怯むことなく勇敢に体当たりしてゆく、その潔さに神々しさが映し出されてくるからでしょう。アニメといえど、私はナウシカの真っ直ぐでひたむきな姿を見るたびに、勇気を分けてもらい、ほろほろと胸をなで下ろしていたように思います。
 あるとき、ロサンジェルスのケーブル局で、宮崎アニメの『魔女の多急便』の英語吹き替え版が放映されていました。『魔女の宅急便』は、東京でOLをしていたときに映画館へ観に出かけましたが、エンディングに松任谷由実さんの曲が流れたときに、体のなかで炭酸水の発砲が弾けるような感覚が起こり、その後、胸がキュンとなって涙がぼろぼろとこぼれ出たことを思い出しました。あのときは、ハッピーエンドの子ども向けアニメを観ながら何故自分が泣いているのかが理解できないのがもどかしくて、映画のエンディングにピッタリはまったユーミンの曲に感動したということで胸の内に納めておきました。
 それから7年ほど経って、太平洋を越えたロサンジェルスで、以前のような感動を受けたいと思いながら最後まで映画を観たのですが、映画はもとより、エンディングの曲まで英語曲に吹き替えされていて、期待した感動を得ることはできませんでした。そこで、日本語のDVDを購入して観てみたら、やはり最後の歌が流れ始めると、胸の内にジワーっと泡立つような高揚感がうまれ、さらに、前と同じように切ない気持ちになりました。そして、このときはその理由が分かりました。その昔も、私は、有楽町マリオンの映画館で、その歌詞に心を打たれたのです。

 松任谷由実さんの名曲、『優しさに包まれたなら』の歌詞はこんなふうに始まります。

♪小さい頃は神様がいて 不思議に夢を叶えてくれた
 優しい気持ちで目覚めた朝は 大人になっても奇蹟は起こるよ
 カーテンを開いて静かな木洩れ陽の 優しさに包まれたなら
 きっと目に映る全てのことはメッセージ♪

 私たちは誰もが、母親の胎内で、ほんの9ヶ月の間に、受精卵から人間の体になるという偉業を成し遂げます。ところが、母親の体から押し出された赤ん坊は、人の手を借りないと生きてゆけない柔弱な状態で生まれるため、この世での自分の在り方に、フラストレーションや憤りを覚えます。そうして、物心つく頃には、やりどころのない怒り、悲しみ、不安を溜め込んで暮らすようになり、やがて、先入観や思い込み、偏見に心が占拠されて、無意識に暮らす「大人」へと化してゆきます。
 それでも、大人になった私が、「神様が不思議に夢を叶えてくれる」、「大人になっても奇跡は起こる」、そして「目に映る全てのことはメッセージ」、こういした歌詞に心を奮わせたのは、そこに真実を感じとったからです。私の歪んで曇ってしまった心のフィルターさえも、真実の光に照らされて綺麗になれば、また、真っ直ぐに物事を見受けられるようになるはずだと感じ、長い間、萎縮して固まっていたほんとうの私が、解凍されて自由になることを望んだのです。
 私が、長い間、心の眼を霞ませて暮らしていた間も、真実の光は、常に私を照らしてくれていました。でも、自分の神性とディスコネクトしてしまった私は、犠牲者的な物の見方や自己憐憫に囚われ、落ち込みスパイラルにはまってしまい、「神様は意地悪だ」とか、「人生はサバイバル、これがほんとの生き地獄」だとか、「幸せになるためには、それなりの苦労や代償を払わなければならない」といった被害妄想にかられて空回りしていたのです。
 『優しさに包まれたなら』に感化されたとき、目に見えない大きくて慈愛に満ちたエネルギーの存在を思い出し、そのおおらかな愛に包まれながら、肩書きがなくても、大きな家に住んでいなくても、喜びで体を満たしながら素直に生きてゆける私に戻れるかもしれない、そんなほのかな気づきが体のなかで弾けたのです。そして、同時に、そのおおらかな愛と切り離されて、足を伸ばせば立てるほどの浅瀬でアップアップしながら生きてきた自分を哀れ慈しむ自己愛が涙となってこぼれ落ちたのです。(つづく)

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